中国茶Q&A
中国茶について、よく聞かれる質問をQ&Aにまとめました。
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A1日本では、「中国茶=ウーロン茶」というイメージがありますが、実は、烏龍茶は、膨大な種類の中国茶のごく一部に過ぎません。
生産量では、烏龍茶が中国茶全体に占める割合は、わずか数%と言われています。
実際に、中国で一番飲まれているお茶は、緑茶です。ある調査では、中国人の80%以上は、緑茶を飲んでいると言われます。
A2日本茶も中国茶も紅茶も基本的には同じ植物から作られています。原料となるのは、茶樹、つまり、ツバキ科の「チャノキ」という植物の葉です。
では、何が違うかと言えば、製法が違うのです。
茶葉は、摘み取った後、放っておくと、どんどん酸化(発酵)して色が紅色に変化していきます(紅色になるまで発酵させたお茶が紅茶です)。
日本茶は、茶葉を「蒸す」ことで発酵を止めますが、中国茶の場合は、茶葉を「炒る」ことで発酵を止めます。中国にも緑茶がありますが、この製法の違いで、日本茶と中国茶では、まったく味わいも違ってくるのです。
日本茶は、どちらかというと「うま味」を感じるように作られているのに対して、中国茶は、「香り」を味わう要素が強くなります。
この製法の違いにより、日本茶と違って、中国茶は、どんな茶葉でも、少なくとも3~4煎は、飲むことができます(8~9煎くらい飲めるものもあります!)。
また、面白いことに、その1煎目・2煎目・3煎目で、味わいが変わってきます。淹れるたびの微妙な変化を楽しむのも、中国茶ならでは、と言えるでしょう。
A3いったい何種類のお茶があるのか、実は、私たちにも正確なところは分からないのです。数百種類はあることは間違いなく、一説には、千種類を超えるとも言われます。
そのうち、中国で「銘茶」として挙げられる銘柄は、百数十種類というところでしょう。それが、なぜそんな多くの種類になってしまうかと言えば、産地や採れた時期によって、違う種類のものとして売られるためです。
また、二級・一級・特級などのランク付けもされます。まるでワインのようですね。
A4膨大な種類の中国茶も、基本的には6種類に分類されます。その分類の基準となるのは、発酵度です。製法上、「発酵を止める」または「わざと発酵させる」ことによって、茶葉の色が変わっていきます。
発酵度が低いと、元の葉の緑色のままとなり、逆に、発酵度が高いと、茶葉は紅色になります。その茶葉の色を付けて、「緑茶」「青茶」「紅茶」などと呼ばれます。
大分類によって大まかな味わいが決まってきますので、ワインで言う「赤」「白」「ロゼ」に相当すると考えてもいいでしょう。
「緑茶」「青茶」「白茶」「黄茶」「紅茶」「黒茶」という、大分類の名称だけでも憶えておくと、茶葉の種類を選ぶときにたいへん便利です。
- ▼白茶
- 「弱発酵ないし微発酵」させたお茶。茶葉に、白い産毛が生えている。代表的な銘柄は、「白毫銀針」など。
- ▼黄茶
- 弱発酵で止めた後、乾燥の途中で、高温多湿の場所に放置し発酵させる。代表的な銘柄は、「霍山黄芽」など。
- ▼黒茶
- 細菌(黒麹菌)を作用させて発酵させる「後発酵茶」。代表的な銘柄は、「普シ耳茶」など。
- ▼紅茶
- 茶葉を最後まで発酵させた「完全発酵茶」。中国産の紅茶は、インドやスリランカ産の紅茶と違って、タンニンが少なく渋みが出ないのが特徴。代表的な銘柄は、「祁門工夫」など。
A5中国茶というと、「工夫茶(くふうちゃ/ゴンフーチャ」を思い浮かべる方も多いでしょう。テレビや雑誌でよく見られる、専用の茶器を使っての中国茶の淹れ方です。
しかし、中国では誰もが専用の茶器で飲んでいるわけではありません。グラスや瓶で飲むなど、いたってカジュアルな方法で毎日お茶を楽しんでいます。
実は、中国茶を楽しむために、専用の茶器は必ずしも必要ではありません。例えば、家庭にある、紅茶や日本茶用のカップや器を使っても充分に美味しく楽しめます。
「茶漉し付きのマグカップ」のような、中国茶をカジュアルに楽しむための手頃な茶器もあります。
A6中国茶を楽しむのは、作法も知識も必要ありませんが、おいしくお茶を淹れるためのポイントがあります。
- あらかじめ、カップや器はお湯で暖めておく。
- 沸騰した直後(100度前後)のお湯を使う。(緑茶の場合は、少しさました80~90度くらいのお湯)
- 茶葉3~5gに対し、お湯150ccが目安。
- 蒸らし時間は、1~2分。(2煎目以降は、時間を長めに)
でも、あまり神経質になることもありません。中国茶を楽しむ一番のコツは、ルールにしばられず、気軽に中国茶と親しむことです。
また、どんな茶葉でも少なくとも3~4煎はおいしく飲めますので、なるべく、ゆったりとした気分で楽しみましょう。